2024年4月3日話上手になるために、相手の話を聴き切ろう!
★話を聴くことはとても大切
皆さんは『聞く』という言葉と、『聴く』という言葉の違いをご存じでしょうか。
『聞く』は、意識しなくても耳に入ってくる音を『聞く』ことです。
一方、『聴く』は、人の話を意識的に注意して『聴く』ことです。
あなたは人の話をきちんと『聴いて』いるでしょうか。
一瞬でも『聞いて』いる状態になっていることはないでしょうか。
話を聴くことは円滑なコミュニケーションを取る上で、話をする以上にとても大切なことです。
「話し上手は聴き上手」という言葉があります。
この言葉の解釈は色々あるようですが、私は次のように解釈しています。
「話がうまい」「この人の話をもっと聞きたい」と思ってもらうには、聞き手が納得し、共感できる話をすることが必要です。
そのためには、聞き手の考えや感覚に沿って話をせねばなりません。
つまり、聞き手の感情や思考を掴み、それに沿って話しをすることが、話し上手の大前提になるのです。
聞き手の感情や思考を掴むには、当然ながらそれらを掴むまで聞き手の話を聴くことが絶対に必要です。
まず、相手の話を、相手の立場に立って聴いて、相手が何を考え何を感じているのか、しっかり掴みます。
そして、掴んだ相手の感情や思考に沿って話しをするのです。
このように、人の話を聴くことはコミュニケーションを円滑にする上でとても大切なことなのです。
では、話を聴く際にどういうことに注意すれば良いのでしょうか。
★相手の言いたいことを掴むまで聴く
1つ目は、上でも述べたように、相手の言いたいことを掴むまで聴くことです。
相手が「AだからBでCになったけど、結局Dになった」という話をしようとしているとします。
そういう場合に、私たちは途中のBまで聴いて「ああ、この人はBになったということが言いたいんだな」と思い込み、「そのBなんだけどさ、~」と途中で割り込んで自分の話をし始めることがあります。
これでは話は噛み合いませんし、相手も気分を害してしまいます。
相手の話が余り上手でなかったり、話が長かったりすると、どうしても途中で口を挟みたくなるものです。
しかし、そこは我慢して相手の言いたいことを掴むまでしっかりと話を聴きましょう。
★相手の話を肯定的に受けとめる
2つ目は、人の話を肯定的に受けとめながら聴くことです。
私たちは基本的に、自分中心に物事を考えたり受けとめたりします。
自分の意に沿わないことや間違っていることを言われると、
「いやいや、そうじゃないよ!」
「そんなこと言うけどさ~」
などと否定的な反応を示してしまいます。
しかし、こういう反応をされるとまず間違いなく相手はいい気持ちはしません。
やがて、そういう反応をする人とは話をしなくなってしまうでしょう。
これでは円滑なコミュニケーションにはなりません。
相手の話をきちんと聴くためには、
「なるほど」
「そうですね」
「確かに」
と、まず相手の話を肯定的に受けとめることが絶対に必要です。
例えその話が事実と違っていても
「あなたはそう思っているんだね」
という気持ちでまずは受けとめましょう。
★相手の事情や背景に気を配る
そして3つ目は、相手の事情や背景に気を配ることです。
例えば、上司が会議に遅れてきた部下に「何やってんだ!10分も遅刻だぞ!この会議を軽く見てるのか!」といきなり叱責したとします。
この上司は、部下がこの会議を軽視している、と思っていました。
しかし、もし部下が、大事なお客様との商談を成立させたが意外に話が長引いてしまったので会議に遅れてきた、また連絡をする余裕もなかったのだとしたら、どうでしょうか?
その事実を知った上司は、上のような言い方をしたことを後悔するに違いありません。
また、この一言でその部下との人間関係は悪くなってしまうでしょう。
この場合、部下に「どうして遅れてきたの?」と話を聴くようにすれば、このようなことは確実に避けられます。
自分の思い込みを避けるために、相手の事情や背景を確認するようにしましょう。
以上、話を聴く際の注意事項を3点お話しました。
コミュニケーションを円滑にしてより良い人間関係を築くために、まず相手の話をしっかり聴くことを意識してみてください。
★話の聴き方を学びましょう!
日本話し方センターのベーシックコースでは、話を聴く、ということも講義やトレーニングを通して学んでいただいています。
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